アストラゼネカ(AZ)日本法人は、「癌」「循環器・代謝」「呼吸器」「自己免疫疾患」の4領域で、第I相試験から日本をグローバル開発に組み入れるための専門チームを設置し、国内開発中の全薬剤で世界同時申請・承認を目指す。既に癌領域では全ての開発品目で、第I相から海外との足並みをそろえており、他の疾患領域にも広げる計画だ。研究開発本部クリニカルサイエンス統括部長の大野木浩氏は、本紙のインタビューに応じ、「海外開発が始まった後に、日本が開発するというマインドを解消し、最初から一緒に企画していく」と述べ、グローバル開発の中で、日本人エビデンスの早期構築を目指す考えだ。
AZは、競合優位性の高い治療領域に集中し、開発パイプラインの強化に取り組んでいる。2014年には、AZとして史上最多となる新薬の米国承認数を記録し、製薬業界でもトップの新薬創出企業となった。
ただ、国内では、海外承認薬剤が使えないドラッグラグを克服したが、新薬の申請時期が海外から遅れる“イニシエーション・ラグ”が新たな課題となっている。