第100回薬剤師国家試験、合格率63.17%で微増‐実数では6年制最多の9044人

2015年5月1日 (金)

薬学生新聞

 厚生労働省は3月27日に第100回薬剤師国家試験の結果を発表した。受験者数1万4316人に対して合格者は9044人で、合格率は63.17%だった。合格者数が前回の7312人から1732人増え、6年制に移行してから最多となったほか、合格率も過去最低の60.84%だった前回に比べ、2.33ポイント上昇した。今回の結果について厚労省は、新卒者が前回並みの合格率を維持し、既卒者の合格者数と合格率が増えたためと分析しているが、6年制になってからは第97回国試で1問のみだった補正対象問題が11問もあり、不適切問題3問と合わせると計14問が正解扱いになっている。厚労省が薬剤師の需給に支障を来さないよう、補正を行った可能性もある。

表:第100回薬剤師国家試験大学別合格者数

国公立の合格率は75%台

 今回の国試は、「6年制新卒」の合格率が前回の70.49%から微増の72.65%となった一方で、「6年制既卒」の合格率は低水準だった前回の39.85%から53.12%に上昇。前回の国試で合格点に「あと一歩」届かなかった学生が数多く試験を受けたこともあり、既卒の合格者数が前回の1003人から2794人に増えた。

 厚労省は、合格率が低かった前回の国試後に、調剤薬局やドラッグストアなどで薬剤師不足が指摘されたことを念頭に、「結果として、需給に支障がないような数字になったのではないか」とした。

 大学の設置主体別の合格者数は、国立が521人(合格率75.07%)で、うち6年制新卒が398人(84.14%)、6年制既卒が70人(69.31%)、その他が53人(44.17%)だった。

 公立は233人(75.40%)で、うち6年制新卒189人(82.89%)、6年制既卒31人(60.78%)、その他が13人(43.33%)。私立は8290人(62.27%)で、6年制新卒5549人(71.65%)、6年制既卒2693人(52.72%)、その他48人(10.46%)だった。

 大学別で最も合格率が高かったのは、
広島大学の86.79%。合格率が9割を超えた大学はなかった。最も低かったのは第一薬科大学の23.47%だった。

 今回の国試で特筆すべき点は、全員が正解扱いとなる補正対象問題が11問あったこと。補正対象問題は、厚労省が「問題としては適切であるが、今回の受験者の正答率および識別指数等を考慮し、全員を正解として採点する」と判断した問題で、正答率が一定以下になった場合などに、その問題は全員正解とする。

 ただ、補正問題に該当するかどうかの基準は公表されておらず、非公開の医道審議会薬剤師分科会で関係者によって判断されている。

 前回の国試で全員正解となったのは不適切問題1問のみで、補正対象問題はなかったが、今回、正答が複数あるなどの不適切問題3問と合わせると計14問が全員正解扱いとなっており、合格者数の増加につながった可能性もある。

 厚労省は、補正対象問題について、4年制時にも11問ほど採択されたことがあり、「決して数が飛び抜けているわけではない」と否定しているが、「ここ最近では多い方」ともしている。

 予備校の事前予測などでは、「補正をかけなければ下がる」との見方が広がっていたが、微増に転じたことから、厚労省が一定の補正を行ったことも推察される。

 今回の国試では、1万6546人の出願に対して、実際に受験したのは1万4316人。2230人が何らかの理由で受験していない。

 厚労省は、今回の国試から大学別出願者数を公表しており、出願者数と受験者数の差が大きい大学と小さい大学が把握できるようになった。

 合格率を高く見せるため、受かりそうもない学生を受験させないなどの対応をとっている大学があることが指摘されており、一定の歯止めをかけるための措置と考えられている。



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