内閣府規制改革会議委員の森下竜一氏(大阪大学医学系研究科臨床遺伝子治療学教授)は13日、大阪市内で「国の健康戦略が示す新しい薬剤師像」をテーマに講演し、医薬分業の見直し論議に言及。「分業をバッシングしているわけではないが、患者目線が欠けていたのは事実」と強調した上で、「かかりつけ機能の強化は結局、かかりつけ薬剤師だと思うが、現状はこれに対応できていない。顔が見えるようにしないといけない。そのためには地域包括ケアの中での機能に積極的に取り組む必要があり、さらにOTC薬をはじめ、特定保健用食品、サプリメントを含めて、全体的な健康対策に取り組んでほしい」と訴えた。
森下氏は、今年6月に公表した規制改革に関する答申に触れ、「今後、薬剤師のみではなく、医師も含めて、医療保険に頼ることは難しくなる。いまは、医療費が1割削減されたとしても、保険以外の収益で1割伸ばしていくなど、国民の健康享受につながる体制変化を行う準備期間」との考えを示した。