7月に就任したメルクセローノのレオ・リー社長は、本紙のインタビューに応じ、癌と不妊治療の二つの領域に重点化し、「日本市場でトップになる」という目標を掲げた。リー氏は、特に癌領域については、「最も能力の高い企業であると同時に、その能力が最も知られていない企業でもある」と分析。強力なパイプラインを武器にスペシャリティファーマとして、国内市場での存在感を強めていきたい意向を示した。
メルクセローノは、2007年に誕生してから約10年弱の歴史を持つ。昨年11月には低身長症治療薬「サイゼン」など、内分泌領域の国内販売権を富士フイルムファーマに売却し、今年2月には主力品の抗癌剤「アービタックス」の共同販促を終了させ、自社単独販売に切り替えるなど、重点領域の「選択と集中」を進めている。リー氏は、「これらの戦略によって、患者・顧客・製薬業界に対してメルクセローノが癌と不妊治療の二つの領域に焦点を当てていることが明確になっている」と述べ、まずはスペシャリティファーマとしての認知を高めることを重点課題に置いた。