薬業界 最近のトピックス

2015年11月1日 (日)

薬学生新聞


【厚労省】合格判断で相対基準導入‐薬剤師国試、足切り緩和も

 厚生労働省は、来年2月の第101回薬剤師国家試験から新たな合格基準を適用する。合格者の基準を、これまでの「得点率65%以上」から「平均点と標準偏差を用いた相対基準」に変更し、試験ごとに合格基準を決めるようにする。また、足切りの要件も緩和。必須問題を構成する各科目の足切りを現行の50%から30%に引き下げるほか、35%に設定されていた薬学理論・実践の各科目の足切りは廃止する。

 合格基準の見直しは、医道審議会薬剤師分科会の国試改善検討部会の中間取りまとめを踏まえたもの。中間まとめでは、6年制課程導入後の国試について、「年度によって合格率に大幅な変動が生じ、教育現場の混乱や薬剤師の確保に対する影響が懸念され、決して望ましいとはいえない」とした。

 こうした状況を踏まえ、「絶対基準である得点率に基づく現行の合格基準には、受験者の学修レベルや問題の難易に関する少しの振幅で合格者数が大きく変動してしまうという問題が内包されている」と指摘。平均点と標準偏差を用いた相対基準によって合格者を決定する方針を示した。

 ただ、学生が徹底して試験対策を行うようになり、仮に合格基準が70%に上昇した場合でも、教育現場や受験生の混乱を避けるため、当分の間、65%を維持した受験生は合格とする。“当分の間”について、厚労省は「良質の過去問が多数蓄積され、出題問題のレベルと受験者の学修レベルが合致し、安定した状況になるまで」としている。

 また、中間まとめでは「受験者の学修レベルと問題の難易が合致していない中で、特定の科目のみで基準を満たさないことのみをもって薬剤師の基本的資質がないとは言い切れない」と指摘している。

 足切りについては、必須問題の「全問題への配点の70%以上」は変更せず、必須問題を構成する各科目、薬学理論・実践の各科目の必要最低点数を緩め、足切りによる不合格の可能性を低下させた。

 合格基準の見直しと併せて、教育内容の充実に引き続き取り組むことや、薬剤師試験委員会での国試の作問に当たっては、「これから薬剤師となる者として基本的な資質があるかどうかを確認する出題となるよう、なお一層の工夫」を求めた。

【武蔵野大薬学部】登録販売者の受験支援‐学生に受験料支給

 武蔵野大学薬学部は、在籍する1~4年の薬学生を対象に、登録販売者試験の受験支援を行っている。受験勉強を通じて、一般用医薬品に関する知識を深めてもらうほか、自ら学習する習慣を身に付けてもらうことが狙い。東京都で受験した場合の受験料1万3600円を上限に、大学側が費用を支給する。9月に東京都で実施された登録販売者試験を約140人の学生が受験した。

 今年度から登録販売者試験の受験資格が見直され、学歴や実務経験など従来の要件は全て撤廃された。誰でも登録販売者試験を受験可能になったことから、薬学生の受験支援に踏み切った。社会に出て、セルフメディケーションを支援できる薬剤師になるため、登録販売者試験の受験勉強を通じて、一般用医薬品に関する知識を深めてもらうのが狙い。

 また、その知識を持つことで、5年次の薬局実務実習が充実したものになる。一般用医薬品の取り扱いが少ない薬局での実習となった場合でも、自ら知識を補完できる。さらに、日々の予習や復習の実践、薬剤師国家試験の合格に向けて、自ら学習する習慣を身に付けてもらいたいという意図もあるという。

【厚労省】新薬メーカーの役割明確化‐競争力強化へ総合戦略

 厚生労働省は、後発品の数量割合を8割に引き上げるに当たって、医薬品産業の競争力を強化するための総合戦略をまとめた。国として新薬メーカーに期待する役割として、グローバル展開できる革新的新薬の創出と位置づけ、今後新薬が創出できなかった新薬メーカーには事業転換を迫ると共に、M&A等による事業規模の拡大を視野に入れるべきと提起し、国際競争に勝てる企業力の強化を促している。

 一方、後発品メーカーには、安定供給に集中することが期待されるとし、集約化、大型化を促し、規模がより大きなメーカーの誕生が望ましいとした。新薬メーカーの役割を明確に示すことで、事実上、革新的新薬を生み出せる企業とそうでない企業の再編を促すような内容となっており、今後、国内メーカーは、生き残りを懸けた決断を迫られることになる。

【厚労省】名称は「健康サポート薬局」‐かかりつけと相談機能備える

健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会

健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会

 気軽に健康相談などができる薬局の基準作りを進めていた厚生労働省の「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」が報告書をまとめた。かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能を備えた上で、地域住民の主体的な健康の維持・増進を積極的に支援する薬局の名称を「健康サポート薬局」とした。

 ▽医師をはじめとする多職種との連携体制の構築▽健康サポートに取り組む薬剤師の研修▽一般用医薬品などの取り扱い▽相談スペースの確保▽土日にも一定時間開局――などの基準を満たすことが要件。基準を満たした薬局は、都道府県に健康サポート薬局であることを報告し、都道府県がホームページで公表するほか、薬局も健康サポート薬局であることを掲示する。

 新たな公表制度は来年度にも始まる。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年までに、約1万軒が健康サポート薬局になることを想定している。



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