【日本薬学生連盟】「薬学生と共に考える災害対策」テーマに討議‐近畿薬剤師学術大会の分科会に30人参加

2015年11月1日 (日)

薬学生新聞

第18回近畿薬剤師学術大会分科会「薬学生と共に考える災害対策」

 この度、日本薬学生連盟は、8月30日から2日間、神戸にて開催された「第18回近畿薬剤師学術大会」に参加し、分科会を担当させていただきました。2015年は、阪神淡路大震災の発生から20年という節目の年です。だからこそ、薬学生が災害についてもう一度学び、考えていけるよう、「薬学生と共に考える災害対策」という主題のもとに、災害医療に興味をもつ30人の薬学生が参加しました。

 また、「事例から学ぶ災害医療」など、災害医療に関する多数の著書をお持ちの鵜飼卓先生(兵庫県災害医療センター)に、大震災によって起こった災害医療の問題や、その対策について講演いただきました。

 その後は、参加した薬学生を6グループに分け、災害についてのグループディスカッションを行いました。ここでは薬学生を、災害医療に取り組む医療者として位置づけ、「もし、こんな災害が起きたなら」といった仮想的な災害データを私たちから提示、議論を介して対策を練ってもらう――という方式で会を進めました。

 各グループには、2人ずつ薬剤師の先生方に入っていただき、共にディスカッションを進めました。ご参加いただいた先生方は災害医療に関する活動をされている方も多く、時に学生たちに、実例を挙げてアドバイスされる姿も見られ、良い形でディスカッションができたように思います。

グループごとに発表

グループごとに発表

 また、このグループディスカッションでは、災害医療における「連携」がいかに重要であるか知ってもらうため、全体6グループを「内部から医療に取り組むグループ」と「外部から医療支援に向かうグループ」に分けました。こうすることで、ディスカッション後の各グループ発表で、それをよりリアルに感じてもらうことができました。

 この分科会にご参加いただいた全ての方に、災害についてもう一度考える興味をもってもらえたのであれば幸いです。

大阪大谷大学2年 小西 令志

感想:「何ができるか」考えたい

 僕は、2015年8月30日に「第18回近畿薬剤師学術大会」に参加してきました。学術大会は、様々なブースに分かれ、自分が興味のある特集をしているところに自ら足を運んで参加するという形で進行していました。その中で、日本薬学生連盟が主催した分科会[3]「薬学生と考える災害対策」に参加しました。

 分科会[3]では、講師に鵜飼卓先生をお招きし、そこで災害医療についての講演をしてくださいました。僕はいまだ大きな地震を経験したことがないため、実際に当時はどういう状況だったのかを聴ける貴重な体験となりました。

 次に、現役の薬剤師と薬学生が一つのテーブルを囲み、災害医療について考える話し合いを行いました。

 僕たち学生にとって、実際に現場で働いている薬剤師の方と一つの共通したテーマについて考える機会は多くありません。そのような慣れない状況の中、一緒に一つの問題について考えてくださった薬剤師の方々は非常に印象的でした。

 この話し合いの中で、避難所では食料や飲料と同じぐらいに薬を必要としている人がいること、そして僕たちが目指す薬剤師もこういった災害時に大きく活躍していることを知り、思わず舌を巻きました。

 このイベントは、実際に災害が起きたときに僕たちは何ができるのか、またはそのために今からどのぐらい準備ができるのか、ということを考える良い機会となりました。ここで学んだことをきっかけに僕が将来薬剤師になったとき、災害時に「何ができるのか」を学生の段階から考えていきたいと思います。

大阪大谷大学2年 岡本 祥吾

感想:薬剤師の役割、多くて重要

 日本薬学生連盟の一員として2日目の分科会「薬学生と考える災害対策」に参加しました。薬剤師の方と薬学生が同じテーブルを囲んで災害対策について考えるという、とてもありがたい機会をいただきました。

 分科会のはじめに基調講演として、兵庫県災害医療センター顧問の鵜飼卓先生よりお話がありました。阪神淡路大震災から20年がたつ今、大震災のときの混乱・人やモノの不足を改めて知り、災害時に医療現場に何が求められているのか、何をすべきで何ができるのかを考えさせられました。

SGDの様子

SGDの様子

 スモールグループディスカッション(SGD)では災害が起こったと仮定し、災害が起こった現地の薬剤師としての対策、外部の薬剤師としての支援の方法をグループごとに話し合いました。私は現地の対策を考えるグループでしたが、自分も混乱した状況にいる中、状況を把握して何を優先に動くべきなのかを考えることが非常に難しかったです。薬剤師の方からはインスリン注射や透析をしている患者さんを優先に対応すること、水不足に対応することなどのアドバイスをいただきました。

 分科会の最後には各グループで話し合われたことの発表があり、外部の対策についても意見を共有していただけました。内部はどのように外部の支援を受け入れるのか、外部はどこまで支援すれば終わりなのかといった課題についていろいろな意見を聞き、災害医療において薬剤師の果たす役割は多く、重要であると実感しました。

 災害はとても身近な問題であり、常に備えておく必要があります。今回うかがったお話をもとにし、万が一の時でも自分ができることを考えていきたいと思います。

日本大学2年 佐藤 真由子



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