【シリーズ メンタルトレーニング】第3回 国家試験必勝法~合格のためのメンタリティー~

2016年1月1日 (金)

薬学生新聞

薬剤師国家試験予備校メディセレ取締役社長
児島 惠美子

児島惠美子氏

 こんにちは。メディセレのしゃっちょう、児島惠美子です。

 さぁ、薬学生最大の難関「国家試験」が迫ってきました!

 模擬試験の結果を見て「妖怪の せいだと思うよ この成績……」と勝手に川柳を創ってはいませんか?ウィスパーに「それはさすがにお前のせいだろ!」と突っ込まれますよ(笑)

 国家試験は6年間の集大成。ゆえに範囲も膨大。しかし、頭の良い人が合格するわけではないのです。実は国家試験は自分の持っている最大限の力を発揮できる人が合格するのです。

 薬剤師国家試験は大学受験よりストレスフルです。なぜでしょうか?それは、社会が薬剤師国家試験の状況を知らないからです。大学受験は近所のおばさんでも、「大変ね~」と言ってくれます。社会全体が大変な試験という事を知っているからです。でも、薬学部6年生です、となると、「もうすぐ薬剤師さんね~」と言われます。そう、薬剤師国家試験は合格して当然の試験と思われているのです。

 これが、みなさんを驚くほど精神的に追い込んでいきます。『おばさん、違うの。薬学部は卒業するのも大変なの、国家試験も難しいの!』と心の中で叫んでしまいます。周囲が理解してくれていない中、頑張らないといけないというのは辛いものです。

 だから、まず、周囲の人に早いうちに、国家試験の大切さを伝えておきましょう!こんな大変なものなの、だから応援してほしいと。周囲の人への根回しは生きにくい世の中を生きやすくする為に必要なスキルです。今のうちに練習がてら実施しておくに越したことはないですよ。

 国家試験の勉強は進むにつれ不安が増幅していきます。なぜでしょうか?それは、知識が増えたことで課題が明確化し、やるべきことの多さに愕然とするからです。でも、わかるようになった事もたくさんあるのです。だから自信を持つことも忘れないでください!

 国家試験は満点を取る必要はありません。345問中225問正解すればよいので、120問も間違えてよいのですよ(プラス思考!)。ちなみに、国家試験では正答率が60%以上ある問題が99回で233問、100回でも222問ありました。

 ということは、半分以上の人が正解している問題を自分も正解したら合格できるということです。だから、わからない問題にぶち当たったら、『ふっ』と笑い飛ばしてください。きみは間違えても良い120問のうちの1つだね?とマークだけして、次の問題にいっちゃってください!

本番はマイペースが一番

 国家試験当日のお昼休みは90分もあります。私は“魔の90分”と言っています。どこからか声が聞こえてきます。「今年は簡単だよね~」なんて聞きたくないセリフ!『いやいやいや、難しかったし~』と心の中で叫びます。「今年の答えは3が多いよね~」なんて声。『え?私は1が多かったですけど?』と無性に不安になります。「これ、出るって聞いたよ」なんて聞こえたら『どこぉ~?』と耳がダンボになります。

 こんな声たちに振り回されて、気がつけばぐったり。午後はもう、頭が真っ白になりました……という学生が毎年出てしまいます。だから当日の昼休みは耳を閉じて、マイペースが一番。ヤマ情報は前日までに終わらせましょう。当日は新しい知識を入れるのではなく、今までの知識を確認することに集中する事が合格の秘訣。

 当日は模擬試験とは違い、驚くほど緊張します。試験時間の150分は今までになく体力を消耗します。なにせ、人間の集中力持続時間は最大150分ですから、人間の限界に2日間も挑戦しているのです!

 だから、休み時間のたびにチョコレートを1粒食べてください。脳は偏食の臓器です。ブドウ糖しか食べません。だから補ってあげてください。非常食は分岐鎖アミノ酸です。だから、分岐鎖アミノ酸は偉いので、いばろう(イソロイシン・バリン・ロイシン)!ドリンクは分岐鎖アミノ酸入りドリンクを。

 というように、国家試験は知識のテストだと思っていたら大間違い。精神力と体力も必要なのです。実際に知識・体力・精神力の中で一番重要な要素は「精神力」です。気持ちで負けたら国家試験は合格できません!

 初めの必須で得点をなるべく稼ぎましょう。中盤の理論は難しいので覚悟しておきましょう。でも、2日目の最後の実践まで諦めずに解いてください。そうすれば、最後に少し挽回できます!理論で無理だと諦めて2日目に来ない人がいます。これはもったいない。実践のほうが理論より簡単なのですから。

2月からは“朝型脳”へ

 当日までにするべきこと。それは2月から“朝型脳”に切り替える事。勉強に集中し始めると、夜遅くまでやりがちです。しかし、当日は9時半から頭をフル回転させなければいけません。だから6時に起きて朝勉強する、朝型脳に切り替えておいてください。

 次に確実な知識をつける事。あいまいな知識はむしろ邪魔です。過去問題をやっていくと、同じ問題を間違えることに気がつきます。例えば、テレビショッピングのダイエット器具。これでみんなが痩せています!と言っているのを初めて見た時はふ~んと思うだけですが、何度も言われているうちに……電話しています!買っちゃいました!汗。これは同じメッセージを7回聞けば、視聴者にすりこまれ、影響が現れるというテレビマーケティングの定説です(私で実証済み)。だから、どうしても間違う問題は7回繰り返してください。繰り返す者は救われる!

 最後に……模試の結果が悪くて打ちひしがれている人はいませんか?目標が遠いと頑張れませんよね。その場合は日々の目標を創りましょう。1日5点分点数を上げましょう。30日あれば150点も上がりますよ!そのために毎日10個の新しい知識をつけてください。10個ならできそうですよね。

 さぁ、国家試験、かかってこい!私は当日に宇宙船が来て、国試が延期しないかな~なんて妄想していました。でも、無情にもシレッとその日は訪れました。妄想するなら社会で活躍する自分!笑顔で乗り越えてやりましょう!



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