【集団災害医学会】災害に強い薬剤師養成へ‐指導者が被災地で薬事対応

2016年3月10日 (木)

ニュース

南海トラフ、首都直下に備え

 日本集団災害医学会は、災害時に共通の知識と言語を理解し、混乱する被災現場で的確に対応できる指導的な薬剤師の養成に乗り出す。災害医療に必要な項目と共に、薬剤師に特化した薬事トリアージ、準備、供給・調剤の三つの原則を習得、実践できる「災害薬事研修コース」のインストラクターを育て、リーダー的人材として認定する。未曾有の被害を出した東日本大震災の経験から、災害薬事に精通した指導的な薬剤師が不可欠と判断。単なる認定ではなく、指導者の育成を最大の狙いとする。インストラクターを全国に配置するため、当面は100人程度の育成を目指す。

 災害発生時には、医師・看護師等で構成される災害派遣医療チーム(DMAT)が初動対応に当たるが、災害に詳しい薬剤師がチーム内で活動することは極めて少ない。今週11日で発生から5年を迎える東日本大震災でも、支援指揮命令系統が混乱し、薬剤師の派遣、現地活動が十分だったとは言えない反省がある。また将来的には、南海トラフ地震、首都直下地震の発生が予測され、東日本大震災以上の甚大な被害発生も想定されている。



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