厚生労働省は12日、B型肝炎ワクチンの副反応報告基準の改定案を厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会に示し、了承された。前回2月の部会で、委員から多発性硬化症を含めることに疑問が呈され継続審議となっていたが、最終的に多発性硬化症のほか、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、脊髄炎、視神経炎、末梢神経障害など7症状を新たな報告基準に盛り込んだ。また、麻しん、風しん、おたふくかぜなど、各種ワクチンによる副反応状況が報告され、安全性に重大な懸念は見られないと結論づけた。
この日の部会で厚労省は、報告基準に含めることに疑問が呈されていた多発性硬化症について、脊髄炎や視神経炎などと発症機序が共通と考えられ、1年以内に発症した症例のうち約半数が1カ月以内の発症であり、発症のピークが1カ月以内であることを提示。そのため、多発性硬化症を報告基準に含め、接種後28日以内に確認されたものを報告対象とする基準案を改めて示し、了承された。