アステラス製薬の畑中好彦社長兼CEOは、11日に都内で決算会見し、今年度売上3000億円を視界に捉えた主力の抗癌剤「エンザルタミド」(米国製品名:エクスタンディ)について、「化学療法前の転移性去勢抵抗性前立腺癌適応で、泌尿器科医への浸透を目指す」と述べ、米国外への拡大にも意欲を示した。
エンザルタミドは昨年度、米国で拡大したほか、中東・アフリカ・欧州を対象としたEMEA、アジア・オセアニア、日本の3地域全体では売上倍増を実現した。ビカルタミドとの直接比較試験結果から、化学療法未治療の去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした有効性が示されており、米国では添付文書に臨床試験結果の追記を申請中、欧州では承認勧告が行われている。畑中氏は、「添付文書に内容が記載され、プロモーション活動ができるのは大きい。特に泌尿科医で多く使われており、浸透を目指したい」と語った。今年度は17%増の2959億円を計画する。一方、日本は2%減の計画を立てているが、「薬価改定による影響が大きいが、数量ベースでは伸びる」との見方を示す。