厚生労働省は17日、遺伝子組み換えヒト血清アルブミン「メドウェイ注」を製造するバイファが遺伝子組み換え微生物の不活化処理が不十分な廃液を作業区域外に漏出させたことを報告していなかったとして、同社に厳重注意を行った。2011年10月から今年1月末までの4年4カ月間、「メドウェイ注」の製造に使用する遺伝子組み換え微生物のピキア酵母を死滅させる不活化処理が不十分な廃液を排出していたが、13年8月に漏出が確定しても法令に抵触しないと判断、厚労省に報告しなかった。これを踏まえ、厚労省は同日、改めてカルタヘナ法や関連政省令を遵守し、遺伝子組み換え生物を適切に使用すること、また適切な拡散防止措置を取ることを徹底するよう日本製薬団体連合会に通知した。
バイファは、製造工場の廃液から遺伝子組み換え生物のピキア酵母を検出するようになった11年10月以降も「メドウェイ注」の製造を続け、13年7月にはピキア酵母が管理区域外で検出されたことを確認。漏出を認識していたが、検出量がごく微量で、手順通りの不活化工程が行われていたことから、微生物の数を最小限にとどめる措置が取れており、法律に抵触していないと判断し、厚労省への報告を行っていなかった。
しかし、その後も完全には不活化ができず、ピキア酵母を検出限界以下に抑えることができなかったことから、今年2月4日に厚労省に漏出を報告した。なお、「メドウェイ注」は現在、市場に流通していない。