米オラクル・コーポレーションは、医薬品データベースを基に安全性管理のためのシグナル検出を行うソリューション「エンピリカ・シグナル」について、米FDA、英MHRAに加え、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)が医薬品監視の目的で公開する医薬品データベース「JADER」にも対応した機能拡充を発表した。製薬企業は、エンピリカを用いたJADERの分析により、自社製品のみならず、競合他社製品の副作用情報を取得できるようになり、当局からの安全性の指摘事項にもスムーズに対応できる。オラクル・ヘルス・サイエンシズ・コンサルティング(HSC)でグローバルPVディレクターを務めるサミア・タパー氏は、本紙のインタビューに応じ「従来まで手作業で行われていた分析業務にエンピリカを導入することで、医薬品安全管理にかかるリソースを付加価値の高い業務に費やすことができ、分析の質も向上させることができる」と自信を示した。
製薬企業の医薬品の安全性管理をめぐっては、有害事象の自発報告データのシグナルを検出し、管理して医薬品のリスクベネフィットを正しく評価し、医療機関に適切にフィードバックすることが求められている。エンピリカは、有害事象の自発報告データのシグナルを検出してパターンを発見し、新たな安全性トレンドを理解するソリューション。FDA、MHRAなどの規制当局による安全性シグナル検出に加え、世界トップ10の全ての製薬企業が自社の医薬品安全性管理でのシグナル検知ツールとして採用されている。FDAやWHOの副作用データベースに対応しているが、新たにPMDAのJADERのデータが利用可能になったことで、製薬企業は一つのプラットフォームで解析が可能になる。