京都大学大学院医学研究科・薬剤疫学の川上浩司教授は、都内で開催した講演会で、各自治体から小中学校の児童・生徒を対象とした学校健診データを集めてデータベース化し、国や自治体などで疾患予防に役立てるプロジェクトを開始したことを明らかにした。「大人になってからの健診はあくまでも早期発見、早期治療、重症化予防を目的としているが、子供の健診は、病気を予防できる、または予防の研究ができるチャンスなので、大変な資産価値があると思っている」と説明し、データベースについて「うまくいけば、今年度内に日本全国の(対象となる)人口の5%ぐらいはカバーできる見込み」と展望を述べた。
同プロジェクトは、高齢化や医療の高度化に伴い国内で医療費の問題が深刻さを増していく中で、医療ビッグデータから今後罹患する可能性のある疾患を解析して予防しようという試みだ。京都大学と連携している学校検診情報センターが、義務教育期間中の小学1年生~中学3年生までの9年間にわたる健診データを集め、データベース化する。