わたしの「1日」~業界の先輩に聞く~ コスモ薬局大宮 菊池優さん

2017年1月1日 (日)

薬学生新聞

患者と接する時間を大切に

菊池優さん

 コスモ薬局大宮(さいたま市)の菊池優さんは、同薬局で働き始めて2年目の薬剤師だ。日々の患者等とのコミュニケーションを大切にし、薬剤師会や製薬メーカー等が主催する勉強会への参加にも積極的で、「薬局薬剤師は患者さんと接する時間も多く、やりがいのある仕事です。また勉強会などで得られたものを日々の業務に生かせた時は、とてもうれしいです」と語る。

 毎週金曜日、菊池さんは出勤すると、担当している施設に薬を届けるための準備に入る。施設に届ける薬の調剤や鑑査等は前日までに終わっていることが多く、ここでの準備は約15人いる担当患者ごとに薬を仕分ける作業だ。出勤時間はシフトによって3パターンあるが、準備に費やす時間は約1時間半。例えば9時に出勤した日は10時半までとなる。

菊池さんの1日

 施設までは車で約20分。10時半に薬局を出ると11時前には到着する。施設に入居している患者は認知機能に差があるため、薬剤の管理は2パターンある。“お薬カレンダー”で自己管理できる患者には、直接部屋まで薬を届け、会話などを通して、患者の状態にも気を配っている。

 そのほかの担当患者とも施設内のリビング等であいさつや会話をするなど、できるだけ多くの患者と触れ合うようにしているという。また、患者の状態などに関して施設の看護師等と情報共有を図るなど、施設の昼食が始まるまでの1時間強で多くの業務をこなす。

 12時15分頃から施設の昼食時間になるが、菊池さんの仕事はまだ終わらない。部屋に薬を届ける患者とは別に、薬剤管理を施設職員が家族の代わりにサポートしなければならない患者に対して、施設内に設置されているBOXに、それぞれの患者ごとに薬をセットする作業だ。

施設から戻ると、約1時間かけて薬歴の記載を行う

施設から戻ると、約1時間かけて薬歴の記載を行う

 この作業が終わった13時頃に施設を後にする。13時半には薬局に戻り、ここから14時半までが昼休憩。昼休憩が明けた14時半からは施設患者の薬歴の記載を行う。約1時間をかけて丁寧な記載を心がけている。

 15時半からは店舗で外来患者の調剤や服薬指導にあたる。これに加え、担当している施設に届ける薬の調剤や鑑査といった業務を行う場合もある。業務が終了するのは17時半だ。

 施設担当の業務について菊池さんは、「薬のセットや患者さんとの会話、看護師さんとのコミュニケーションなど、忙しくも非常に充実しています。大変な面もありますが、毎週金曜日を楽しみにしています」と語る。

 施設の担当や外来患者への対応など、日々充実した業務を送る菊池さんだが、薬剤師を志したきっかけは子供時代に遡る。「よく風邪をひく子供だったのですが、当時訪れていた薬局の薬剤師さんがいろいろと相談に乗ってくれたりして、そこで薬剤師という仕事に対する憧れが芽生えました」という。その後、化学が好きになった高校時代を経て明治薬科大学に入学。薬剤師となり、2015年4月から同薬局で働いている。

 入社後、日常の業務では外来患者の調剤や服薬指導といった業務に多くの時間を割いている。同薬局は目の前に総合病院があり、来局する患者層、診療科は非常に多岐に渡る。「幅広い対応になりますが、薬局薬剤師は患者さんと接することができる仕事です。“丁寧な説明だった”“よく理解できた”など、患者さんからの感謝の言葉にはとてもうれしい気持ちになります」とする。

 今後に関しては、未病に対する取り組みなどに携わりたいという思いがあるという。「検体測定室や健康相談室などの取り組みにも積極的に関わっていきたいです」と語る。

 薬学生に向けては、「仕事を選ぶ際に大事だと思うのは職場の雰囲気。働きやすく、長く続けられる職場がよいと思うので、いろいろな薬局や病院に見学に行き、情報を得た方がいいと思います。また、例えば当薬局は有給休暇の取得率が100%など福利厚生が非常に充実しています。オン・オフの使い分けが業務にもよい影響を与えると思うので、そうした面も考えるといいと思います」とアドバイスを送る。



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