レギュラトリーサイエンス学会が6、7の両日、都内で「新しい科学としてのレギュラトリーサイエンス」をテーマに第3回学術大会を開いた。7日にはヤンセンファーマの阿知良周氏が、昨年1月以降に承認された医薬品のうち、17品目以上で数学的・統計学的手法を駆使し、薬物動態や臨床効果、副作用を特定・予測するモデリング&シミュレーション(M&S)が活用されていたことを報告した。
新薬開発の効率化に向け、製薬企業がM&Sを臨床開発に生かす「モデルに基づく医薬品開発」の普及が進んでおり、米FDAは既に承認審査における意思決定に、M&Sをはじめ数学的・統計学的手法を用いて薬物動態などを予測するファーマコメトリクス解析を活用している。阿知良氏は、M&Sを実施したことで臨床試験における被験者数と試験期間短縮の可能性が示された論文を紹介。医薬品開発の生産性向上が期待されるとした。