製薬企業の半数以上に提供
日本オラクルは28日、製薬企業向けに医薬品開発の安全性情報管理(PV)アプリケーション「Oracle Argus Cloud Service」(アーガス)の新バージョンを提供開始した。医薬品規制調和国際会議(ICH)のガイドライン「ICH-E2B(R3)」や日米欧の規制当局による副作用報告の要件に準拠できるよう設計されているほか、クラウドベースで規制に対応した副作用報告支援からアーガスで集積したデータから副作用が発現している患者集団の解析、副作用の徴候となるシグナル検出・分析まで一つのデータベースでPV業務を支援する。アーガスは、医薬品医療機器総合機構(PMDA)への副作用報告症例数では全体の6割を超える実績があるが、製薬企業の半数以上でシステム導入を目指す。
製薬企業のPV業務をめぐっては、製薬企業から各国当局への副作用報告が紙ベースで行われるなど労働集約型であることや、安全性システムが国内用と海外用の“二重持ち”である場合が多く、業務の非効率性が課題として指摘されている。オラクルが提供しているアーガスは国内外で提供実績が高いPV支援ソリューション。今回、副作用報告支援と担当者の評価判断を支援する副作用解析機能に加え、安全性シグナルを検知するソリューション「エンピリカ」を統合した包括的なアーガスの新バージョンを投入する。