バイエル薬品は14日、同社の社員が患者に無断でカルテを閲覧しデータを収集していた一連の問題について、外部専門家が調査した結果を報告した。同社はこれまで詳細を明示してこなかったが、不適切な情報収集の実態や、それに至る経過が明らかになった。外部専門家は、これらの情報収集は「個人情報保護法に抵触した可能性がある」と指摘。また、調査や論文作成は「疫学研究に関する倫理指針に沿って進められるべきだった」としている。
同社は2012年から13年にかけて、宮崎県内の循環器科・内科診療所で治療を受けている患者を対象に「血栓症領域製剤の服薬における患者様の嗜好に関するアンケート調査」を実施した。その際、同社宮崎営業所の社員3人が、患者の同意取得の有無を明確に確認することなく、氏名、年齢、性別、生年月日、主病名など、最大で298人分の患者情報を不適切に取得していたことが、今回の報告で明らかにされた。