総額320億円、創薬支援に参入
コニカミノルタは、米創薬支援企業「インヴィクロ」を買収する。全株式のうち95%の持ち分を取得し、買収額は320億円で11月に手続きが完了する予定。個々の患者の遺伝子や蛋白質発現に応じて患者を層別化し、最適な薬剤を投与するプレシジョン・メディスン(個別化治療)事業を強化する。7月に患者向けの遺伝子解析サービスを提供する米遺伝子診断企業「アンブリー・ジェネティクス」の買収を発表したが、今回、医用画像を用いて医薬品評価を行うイメージングCROのインヴィクロを傘下に入れ、製薬企業向け創薬支援を開始する。山名昌衛社長兼CEOは、25日に開催した記者会見で、「プレシジョン・メディスンで世界のリーディングカンパニーになる」と述べ、患者と製薬企業向けにサービス提供を本格化する構えだ。
インヴィクロは、高度な数値解析技術、バイオマーカー探索技術に強みを持つ創薬支援のイメージングCROで、2008年に米マサチューセッツ州ボストンに設立し、売上高は18年度に1億6000万ドルを見込む。従業員数は約300人でそのうち科学者200人、医学博士は60人以上を抱える。設立後に他のイメージングCROを買収し、事業基盤を強化しており、日本の製薬企業を含む140社にサービス提供してきた。