【クオリプス】iPS細胞由来の心筋シート、5年後に実用化目指す‐虚血性心筋症の適応で

2017年10月13日 (金)

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左から順に、2人目がクオリプス・飯野直子社長、澤芳樹氏、第一三共・中山讓治会長兼CEO

左から順に、2人目がクオリプス・飯野直子社長、澤芳樹氏、第一三共・中山讓治会長兼CEO

 大阪大学発ベンチャー「クオリプス」は、来年にも重症心不全患者を対象とした他家iPS細胞由来の心筋シートの臨床研究を開始し、虚血性心筋症の適応で約5年後の薬価収載、実用化を目指す。第一三共がクオリプスに出資し、両社で共同開発を実施する。大阪大学大学院医学研究科心臓血管外科教授で、クオリプスのチーフ・サイエンティフィック・アドバイザーとして同シートの研究を手がけている澤芳樹氏は、4日に都内で会見し、「われわれが培ったものが死の谷を越え、ダーウィンの海を渡っていくのは大変難しいことだが、第一三共と共にクオリプスの事業がスタートして、実際に世界中の患者にこの治療が届くことが可能になってきた」と実用化に期待感を示した。

 iPS細胞由来心筋シートは、ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞をシート状にした他家細胞治療製品。心臓移植や人工心臓装着以外に有効な治療法がない重症心不全患者の心臓に同シートを移植することで宿主心筋と電気的に結合。シートが心拍の動きと連動することで、心機能の改善や心不全状態からの回復等が見込まれている。カテーテルや注射器で注入する細胞療法は、移植した細胞が局所的にしか生着しないため、有効性を発揮できなかったり、安全性についても生着した移植細胞の周辺に不整脈が引き起こされる懸念があったが、こうした課題を解決できる可能性がある。



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