エーザイは、アルツハイマー型認知症(AD)治療薬として米バイオジェンが開発中の抗アミロイドβ抗体「アデュカヌマブ」について、2014年に締結した契約で権利を留保していた同剤の共同開発・販売を実施するオプション権を行使したと発表した。今年9月にバイオジェンが発表したアデュカヌマブの第Ib相試験の継続投与試験で、最長36カ月の投与を受けた患者で有効性を示したことなどを理由に、予定よりも前倒しして権利を行使することを判断した。また、バイオジェンが有する複数の多発性硬化症(MS)治療薬でも日本を含めたアジアで提携する契約を締結した。両社は、重点領域とする神経系領域で販売面でも協力し、国内ではエーザイがバイオジェンが販路として未開拓な医療機関で共同販促を行う。内藤晴夫CEOは24日、都内で説明会を開催し、「Aβが(ADの)一つの主要な病因であると確信している」とアデュカヌマブの開発成功に期待感を示した。
両社は14年に、エーザイが次世代AD治療薬として開発している抗Aβプロトフィブリル抗体「BAN2401」とBACE阻害剤「E2609」(一般名:エレンベセスタット)の共同開発・販売契約を締結したが、その際にエーザイがアデュカヌマブの共同開発・販売に関するオプション権を取得していた。