塩野義製薬は、自社創製の新規キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤「S-033188」について、成人・小児におけるA・B型インフルエンザ感染症の適応で国内承認申請を行った。同製品は既存の薬剤とは異なる作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制する新規化合物で、厚生労働省による先駆け審査指定制度の対象品目としても指定されている。
「S-033188」は、成人・小児を問わず、経口による1回のみの錠剤の服用で治療が完結するため、利便性が高く、確実なアドヒアランスが期待できる薬剤。これまでに実施した健常なインフルエンザ患者を対象とした臨床試験では、既存薬のタミフルと比較して抗ウイルス効果が高く、投与翌日には50%以上の患者でウイルス力価の陰性化が認められており、家庭内や学校、職場等でのウイルス伝播、飛沫/空気感染拡大に対しても一定の抑制効果を示すことが期待されている。