汎用性で業界標準目指す
山口大学病院薬剤部と大手製薬企業のファイザーは、添付文書とインタビューフォーム、医薬品リスク管理計画(RMP)の医薬品情報を一括して短時間で検索できる「医薬品情報提供システム」(仮称)の試験的開発に成功した。クラウドサービスを提供するアマゾンウェブサービスの技術を採用し、キーワード検索するだけで複数の資料から欲しい情報をすぐに入手できる仕組みを構築。医療従事者が資料を探す手間が大幅に減ると共に、製薬企業が印刷物を作成する業務負担も軽減するメリットがある。システムは安価で汎用性を持たせていることから、将来的には業界標準への展開を目指す。
医療現場では、製薬企業が作成した添付文書、インタビューフォーム、RMP、使用上の注意改訂、患者向け医薬品ガイドなど、様々な資材が配布され情報提供が行われている。ただ、薬剤師など医療従事者が必要な医薬品の情報を知りたい場合、それぞれの資料を開いて該当項目を探す手間がかかり、欲しい情報をすぐに入手できない課題があった。製薬企業も工夫して作った資材が有効活用されていないとの問題意識を持っていた。