米CRO大手のパレクセル・インターナショナルは、製薬企業が膨大なデータを活用した医薬品開発と上市後の製品価値最大化に取り組む中、米マイクロソフトと提携し、グローバル標準の治験ITインフラの整備を急ぐ。治験プロセスが手作業からITによる自動化へとシフトし、来院時の医療機関内で被験者から収集したデータのみならず、身体に装着したウェアラブル機器を通じて、在宅でも収集可能な“患者発データ”を活用する時代に入っている。爆発的に増加するデータの収集・管理や、各国の規制要件を満たしたプラットフォームの構築を目指す。将来的には人工知能なども活用しながら、継続的な治験データ品質向上とコスト削減を実現する。
医薬品開発をめぐっては、製薬企業からCROに外部委託が加速しているが、コストの高騰や治験期間の長期化、開発成功確率の低下など効率化が喫緊の課題となっている。さらに、薬事申請でも電子データが利用されるようになり、上市後も新薬の有効性や安全性を検証するために、膨大なデータを長期間にわたって収集・管理し、解析していくことが求められるようになった。