シンバイオ製薬は、導入元の米オンコノバ・セラピューティクスが、高リスク骨髄異形成症候群(MDS)を対象とした抗癌剤「リゴセルチブ(一般名)」の国際共同第III相試験「INSPIRE」の中間解析で、データモニタリング委員会が事前に計画した統計学的な基準に基づき、当初予定していた225症例から360症例に増加した上で試験を継続すると発表した。試験終了は2019年を予定している。来月の決算発表後に具体的なスケジュールが明らかになるとしている。
「INSPIRE」は、低メチル化剤による治療で効果が得られない、もしくは治療後に再発したMDSを対象に、リゴセルチブの上乗せ療法を検討した第III相試験。225症例中88例を対象に中間解析を行い、試験継続を決めた。目標症例数を360例に引き上げることを決定したのに伴い、国内症例数も当初予定の30例から具体的に明らかにしていないが、上積みする方向。吉田文紀社長は、昨年のインタビューで、「中間解析では88例と症例数が少なく、その結果で有効性に関する有意差を示すことは難しいため、試験継続か中止を判断することになる」と話しており、一つの関門を通過した格好だ。