非臨床CROのトランスジェニックは、静岡県磐田市を本拠とする同業の食品農医薬品安全性評価センターの買収に向けた協議を開始したと発表した。昨年5月の中期経営計画でCRO事業を中心としたM&A戦略を掲げており、今回の資本業務提携に向けた協議開始はその一環。もともと子会社「新薬リサーチセンター」で非臨床薬効薬理試験を得意としていたが、安評センターから手薄な安全性試験分野を獲得することで、非臨床試験のワンストップ受託を目指す。
トランスジェニックは、トランスジェニックマウスによる抗体作製を武器に、基礎研究から非臨床試験、臨床試験の受託基盤を持つ。非臨床領域では、新薬リサーチセンターが中核となり、齧歯類など小動物を使った試験を実施している北海道の中央研究所と、サルの試験を担当する神戸研究所の二つの拠点を有し、昨年度二桁成長を果たした薬効薬理試験評価が成長ドライバーとなっていた。しかし、大動物を用いたGLPに準拠したラボはなく、安全性試験に強い国内非臨床試験受託機関の買収が検討課題だった。