厚生労働省医政局研究開発振興課治験推進室長の井本昌克氏は1月24日、豊中市で開かれた彩都産学官連携フォーラムで講演し、欧米に追随して日本でも臨床試験結果の公開を推進したい考えを示した。4月に予定する臨床研究法の施行を機に、省令や通知にその意向を盛り込む予定だ。現在、ネガティブな臨床試験結果は公開されない傾向が強いが、全ての結果を公表し人類の共有財産として役立てる必要があるとした。
臨床試験の概要を該当ウェブサイトに登録する仕組みが世界的に確立される一方、結果の公開はこれまで研究者の自主的な判断に委ねられてきた。しかし、米国では昨年1月に規制が強化され、結果の公開が義務化された。欧州も同様の環境になっている。現在は、終了した臨床試験のうち米国では3割、欧州では5割の結果が公開されているという。