星薬科大学と医薬品業界向けの人工知能(AI)サービスを提供する木村情報技術は、AIを活用して薬学生の学生生活や就職活動を総合的に支援するポータルサイト「アイキャンパス」を共同開発し、9月から本格提供を始める。AIが学生からの問い合わせに回答するほか、個々の学生の学修結果や学生生活での経験などを統合的に管理し、性向分析や適職分析に活用したり、適職分析から学生の就職先に適した企業を探し出し、紹介も行う。星薬科大学の亀井淳三教授は、9日に開催した記者会見で、薬学生が卒業後3年以内に退職する“早期退職”の問題解決策として、「学生に関する情報を集積する仕組みが必要」と指摘。「AIで学生の適性を分析することで、就職先を選ぶ際に条件面だけではなく、企業とのよりよいマッチングを支援したい」と語った。
星薬大では、講義などの教育・研究活動支援、成績や出欠席管理、入学試験対応を含め、学生や学外から問い合わせが多く寄せられているのを背景に、教学系事務処理などでAIを活用する「AI大学構想」を進めてきた。今回、医薬品に関するAIサービスで多くの実績がある木村情報技術と共同開発したアイキャンパスが、AI大学構想プロジェクトの第1弾となる。