EPSホールディングスは、製薬企業が食指を動かす世界第2位の中国医薬品市場で成長加速を狙う。日本では臨床開発支援のCRO・SMO事業とCSO事業が主力だが、医薬品卸「スズケン」との合弁会社で中国事業を展開する「益新グループ」では10年以上にわたって現地で事業基盤を構築し、医薬品の製造販売、医薬品・医療機器CRO、コンサルティング、ベンチャー企業に対する投資に加え、マーケティング・学術販促受託、医薬品医療機器の物流販売など全てのバリューチェーンをカバーする体制を整えた。ICHの正式会員となり、国際標準の薬事規制環境に近づく中国だが、それに伴って拡大が予想される医薬品周辺市場を取り込む。中国売上高100億円を早期に達成し、中長期的にはアジアを中心とした海外売上比率30%に引き上げたい方針だ。
中国の医薬品市場をめぐっては、この2~3年間で新薬の薬事規制環境が変化している。従来は承認に要する審査期間が欧米に比べ長いため、グローバルで展開する製薬企業にとっては参入障壁になっていたが、昨年秋にICHへの入会を果たしたことを契機に医薬品開発での規制緩和が始まっている。欧米の製薬大手、日本の製薬企業、韓国バイオ企業が攻勢をかける。また、中国企業が創出した開発候補が、中国で早期臨床試験を実施するようになるなど、“中国発新薬”への期待も高まっている。