わたしの「1日」~業界の先輩に聞く~ キッセイ薬品東京支店松戸営業所 岸裕也さん

2020年1月1日 (水)

薬学生新聞

医師・患者の目線で情報提供

岸裕也さん

 キッセイ薬品でMRとして活動する岸裕也さんは、昨年4月から同社で働き始めた。当初は薬剤師を目指していたが、製薬会社のMR職に就いた先輩から仕事内容を聞き、就きたい職業の一つとして考えるようになった。

 大学5年時の薬局実習で自社製品の説明を行うMRの姿に、「薬剤師とは違う方法で患者さんのために活動していることを実感し、感銘を受けた」。その出来事をきっかけにMRを志すことにした。

 長野県松本市が出身地である岸さんは、地元に本社を置くキッセイが、物心がついた時から身近で憧れの存在だった。新薬の研究開発に重点を置く同社の企業理念が、自身が考える職業観とも重なり、応募したところ、見事に採用された。

 入社後、同年10月から東京支店松戸営業所に配属された。市川市の病院、クリニック、薬局を担当するMRとして本格的に活動を開始した。

岸さんの1日

 とある1日。午前8時30分に医薬品卸を訪問し、営業担当者(MS)と情報交換を行うことから始まる。担当製品についての打ち合わせを行うほか、医療関係者からの要望などを聞き取る。

 卸の営業所2軒の訪問を終えた後、午前10時30分に松戸営業所に出社。この日は正午過ぎから担当製品の説明会を控えていたため、プレゼンテーションの準備のほか、内勤業務を行った。

 岸さんは午前中、社内にいる時間を所属するメンバーとの情報共有にあてる。「自分の現状を逐一報告・相談して先輩からアドバイスをもらい、不十分な点は改善するように心がけている」という。

 12時30分、担当製品の最新情報を提供するために市川市のクリニックを訪問して説明会を実施。自社製品である過活動膀胱治療薬の投薬期間制限が解除されるため、改めて安全性情報などを医療従事者に提供する。

 午後2時30分、昼食を終え、3時に医師との面談を予定している病院に向けて足を運ぶ。面談内容は、自社製品の情報提供はもちろん、病院やクリニックの経営について医師が考えていることにも耳を傾ける。

 「職場の先輩方を含めた、周囲の人たちとのコミュニケーションを最も大切にしている」と強調する岸さん。「様々な立場の人たちから情報を収集することで、初めて医師がどんな情報を必要としているのかを把握できる」と話す。配属当初は、薬以外の異分野の知識を求められ困惑を隠せなかったが、現在、医師からの要求を満たすため、薬剤師の友人や市川市の医療機関を担当していた前任MRなどを通して、病院・薬局の実態の把握に努めている。

 午後4時30分からは、病院薬剤部や門前薬局、近隣のクリニックを3軒訪問し、午後6時30分に全ての業務を終えた後、帰宅した。

 本格的にMR活動を開始してから約2カ月が経過した。「自分の活動が数字に表れることにやりがいを感じる」と話す一方、「自社製品の特性を十分に伝えきれず、他社製品が採用された時には非常に悔いが残った。医師の立場ではなく、自分本位な情報提供をしてしまった」と試行錯誤の日々を送っている。

 それでも着実に成長している。「君が担当している先生は、安全の面で副作用を気にしているから、まずは試験の結果をちゃんと伝えた方がいい」との先輩MRの助言から、医師に紹介したところ、高い評価を得た。「まだ医師との信頼関係を完全に構築できたわけではないので、これからも継続的に面談を積み重ねていきたい」と前を向く。

MR認定試験に向けて勉強

MR認定試験に向けて勉強

 MR認定試験を直近に控える岸さんは試験勉強に励んでいる。MRにとっては正しい知識を身につけている証になり、必要不可欠なものだ。キッセイ薬品では入社1年目のMRに対し、業務時間の合間で勉強する時間を確保したり、勉強合宿を行ったりして全面的にサポートをしている。岸さんも「会社のサポートにはすごく感謝している。自分にとってMR認定試験に合格することは一つの節目になるので、まず認定証を獲得できるように頑張りたい」と合格を誓う。

 医療関係者や患者が必要としている薬を提供する、患者目線のMRになるのが目標だ。薬学生に対しては、「MRは患者さんたちと直接交流する機会はほとんどなく、アプローチも薬剤師とは異なる。自分の活動を通して患者さんに貢献することは共通していると思っているので、MRという仕事も一つの選択肢として就職活動を進めてほしい」とアドバイスを送った。



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