【考えよう!キャリアデザイン】医療人として持つ死生観とは [2]

2020年3月1日 (日)

薬学生新聞


キャリア・ポジション社長
西鶴 智香

西鶴智香氏

 前回、生と死を考えることが「自分の人生観」につながるとお伝えしました。学生さんの中には、「死を考えるなんて怖い」「なるべく考えないようにしている」という方もいらっしゃるでしょう。おそらく多くの日本人はそうなのではないかと思っています。

 ある地方新聞社の意識調査では、自分や家族の死を考えたり話したりすることに心理的抵抗感があると回答した人は、20~30代ではほぼ半数、65歳以上では30%強だったそうです。同じ調査で20~30代では「死について深く考えた経験がない」と回答した割合は32%でした。

 日本人が死の話題をタブー視することについては、以前から社会学者らの多くの考察がありますし、日本では数字の「4」を不吉だと捉えます。一方、最近は自分で人生の仕舞いを準備する“終活”を積極的に行う中高年も増え、この調査でも65歳以上だと約半数が「終活をしている」と答えていました。

 さて、皆さんは「人生会議」のことはご存知でしょうか。生と死に向き合う現場にいる医師たちが、人生の最後に受けたい医療やケアを事前に家族や医師と話し合っておく「アドバンス・ケア・プランニング(別称「人生会議」)」を啓発する活動を始めています。

 国民医療費が膨張する原因の一つに、人生の最期に決して本人が望まない医療サービスが過剰になされていることがありますが、ではどうしたらいいのしょうか。知り合いの医師は「人生の最期をどうしたいかは患者と家族が事前に話し合ってほしい。浸透させるにはまずタブー視の払拭が必要」と言います。

 将来医療人になる皆さんも、生と死について自分なりの考えを持つことが、このような患者に向き合う大事な心構えになるではないでしょうか。そしてもう一つ、死を考えれば考えるほど自分自身が、今まで以上に生きることに一生懸命になれるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。



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