【国試予備校の現場から】知っておこう「わけがありますく」

2020年9月1日 (火)

薬学生新聞

メディセレスクール社長
児島 惠美子

児島惠美子氏

 こんにちは。メディセレのしゃっちょう、児島惠美子です。みなさん、マスク生活は慣れましたか?私のところにはマスク、特に不織布マスクで「肌が荒れてしまった」「かぶれてしまった」「今までなっていなかったアトピーになってしまった」という相談が来ています。お顔が真っ赤になってしまった人もいます。

 様々なマスクを試した結果、意外にもアベノマスクはかぶれには強いことが分かりましたが、ぶ厚すぎ、暑くなるのでダメですね…。かぶれにくい薄い布マスクに落ち着く人が多いのですが、ウイルスブロックの観点からはお勧めしにくく、ジレンマを感じています。

 もっと深刻なことは、そもそも身体的、精神的な理由でマスクができない人がいることです。

 例えば、自閉症スペクトラム障害の人はマスクが耐えられず、マスクを無理やりつけることで、自傷行為を誘発してしまう場合があります。しかし、現在はマスクをしていないと施設に入れてもらえなかったり、マスクをしないことで暴力を受ける事件まで発生してしまい、非常に困っていらっしゃる人たちがいるのです。

 そのような相談も聞いていて、どうすればよいのかと思っていましたら、「わけがありますく」というプロジェクトが始まりました。

 「マスクをしたくても、できないのです」という意思を、可愛い犬のイラストが描かれたカードやバッジで表示するもので、大変素晴らしいです。お困りの方はカードやバッジを手に入れていただきたいです。

 マスク着用が社会マナーになりつつありますが、理由があってマスクをしたくてもできない人がいるという現状を知っておきましょう。マスクでかぶれて顔が赤く腫れてしまうことは、私たちにも突然起こりえることなのです。

 ちなみに、飼い主を介して犬が新型コロナウイルスに感染したとの報道がありましたが、犬にマスクは絶対ダメですよ。ほとんどの動物は呼吸で体温調節をするので、夏場にマスクをすると身体に熱がこもって死んでしまいます。動物もマスクはできないのです。

 それらを知ったうえで、お互いにできる範囲で可能な限りの感染防止に努め、優しい社会にしていきましょうね。



HOME > 薬学生新聞 > 【国試予備校の現場から】知っておこう「わけがありますく」

‐AD‐
薬学生新聞 新着記事
検索
カテゴリー別 全記事一覧
年月別 全記事一覧
新着記事
お知らせ
アカウント・RSS
RSSRSS