【日本薬学生連盟】他職種のことを知ろう!‐医学生、看護学生と対談

2020年11月1日 (日)

薬学生新聞


テレビ会議システムで対談した。出席者は上段左から百瀬、小林、平栁、下段左から本多、横山

テレビ会議システムで対談した。出席者は上段左から百瀬、小林、平栁、下段左から本多、横山

 「チーム医療」という言葉にピンとこない薬学生はほとんどいない時代となりました。チーム医療を実践するには、私たちの専門分野に精通することはもちろんですが、それ以上に他職種について理解する必要があると思います。今回は、医療系学生団体AMSA Japanから平栁陸士さん(富山大学医学部3年生)、医療系学生団体IFMSA-Japanから本多彩英さん(防衛医科大学校看護学科4年生)を対談にご招待。日本薬学生連盟広報部の横山夏季(神戸学院大学薬学部5年生)、百瀬真梨(名城大学薬学部4年生)、小林幸恵(東邦大学薬学部3年生)の3人がお話を聞きました。

 小林(薬) 皆さんが今の学部に入ったきっかけを教えてください!私は親が看護師だったので医療系の資格を取りたいなと思って薬学部に入ったのですが。

 平栁(医) 幼いころにニュースで、事故の映像や悲惨な事件を見てショックを受けました。その時から漠然と世界平和を目指さなければならないと感じていて、教育系か医学系に進めば世界をより良くすることに携われるのではないだろうかと感じるようになったのが中学生くらいです。その後高校生になり数学が好きだったため理系に進み、医学部に入りました。

 本多(看) 実は私も母が看護師なんです!そばに医療系職種がいることに、とても安心感があったんです。手に職を付けたいし、需要がなくなることもないかなと思って看護学部を選びました。身近な人が看護師とか医療職っていう動機で医療系学部に進学する人は多いですよね!

 小林(薬) 看護師かっこいいですよね!親の職場についていったことはありますか?私はそこで親が働いているのを見てかっこいい!と思ったんです。

 本多(看) 私の母が働いていたのは田舎の小さなクリニックだったので、かっこいいというより楽しいというイメージでした。おじいちゃんやおばあちゃんに遊んでもらったりして、娯楽施設って呼んでいました(笑)

 百瀬(薬) 学部あるあるって何かあったりしますか?薬学部だと「杏仁豆腐」のことを「きょうにんどうふ」って呼んじゃったりするんですが。

 平栁(医) 本当ですか?!そのノリで行くとシナモンを見て桂皮って思っちゃうとかあるんですか?

 小林(薬) そうですね!あと「生姜」のことを「しょうきょう」って言っちゃいます(笑)

 百瀬(薬) ベンゼン環推しも結構あったりします。

 平栁(医) マニアですね(笑)医学部生は大学1年生の間は自分の入試の点数を自慢しがちだったりします。個人的にはよくないと思うんですけどね。

 本多(看) 看護のあるあるは実習が多いですね。“あの看護師さんめっちゃ厳しいよ!”とか。噂が流れてきて実習の前は心の準備をしていました。

医師に多いバーンアウト‐SNSで現場の状況把握

 横山(薬) 10月10日は世界メンタルヘルスデーでしたが、お2人はご存知でしたか?

 平栁・本多 知らなかったです。

 横山(薬) これは世界精神衛生連盟が1992年に定めたもので、WHO(世界保健機関)も協賛している記念日なんですけど、医療者のメンタルヘルスケアってとても大事だと思うんです。患者さんと接しているとなかなか大変なことも多いと思うのですが、自分たちを守るためにどうするべきかを学校で習うことはありますか。

 平栁(医) 授業ではやらないと思いますが絶対に必要な能力ですよね。

 横山(薬) 医師の皆さんは臨床で身に付けるしかないのでしょうか。

 平栁(医) そうですね。先輩の先生に聞いたりしながら対応を学ぶ感じだと思います。

 横山(薬) 本多さんはどうですか?実習中つらかったことも多いかと思いますが。

 本多(看) 看護の実習は以前に比べてそれほど厳しい空気ではなくなってきています。もちろん厳しいことも理不尽なことも言われますが。

 あと、残念ながら暴力やセクハラを行う患者さんもいらっしゃるのですが、そういったことに黙って耐える必要はなく、嫌な場合は拒否して相談するよう教官からは指導されました。

 平栁(医) メンタルヘルスといえばコロナ禍でのバーンアウトが今話題になっていますよね。

 横山(薬) 確かにそうですね。公開されていないだけで、研修医の先生に休みがなかったりしてバーンアウトやドロップアウトしちゃうケースが多いって聞きますが。

 平栁(医) 医師が自分でバーンアウトしそうかどうか、気づくことは難しいと思うんです。だから周りの看護師や薬剤師を監視でつけることが検討されているようです。しかしそれだと他の職種の仕事が増えてしまうので、それは果たしてどうなのでしょうか(笑)

 小林(薬) 今の平栁さんの話はまさにチーム医療ですよね。

 平栁(医) 医師は全職種の中で最もバーンアウトしやすいそうです。医師の労働時間は、医療系以外の職種と比べると依然として長いのですが、医師が仮に他の職種と同じ労働時間であると仮定して解析するという研究が行われました。しかし、医師のバーンアウトの割合はやはり最も高かったということなんです。

 つまり、医療従事者の働き方において改善すべきは労働時間だけではないことが示されたわけですね。やりがいや職場環境についても目を向ける必要があるのかもしれません。

 小林(薬) 医師でもやりがいのなさを感じるんですね。ギャップを感じるのでしょうか。

 横山(薬) それはあると思います。高校生の時に見えていた姿と現実は大きく異なるような気がしています。

 小林(薬) 看護師さんも理想と現実のギャップが大きいイメージですがいかがでしょう。

 本多(看) 看護師のつらさはSNSで結構発信されているんですよ。そこである程度心構えができているので、実習に行った時にも大きなギャップは感じなかったですね。医師や薬剤師の発信はあまり目にしませんが、医師は時々あるのかな。

 横山(薬) 医師の発信にはどのようなものがあるんでしょう?

 本多(看) 自分は漫画で見ました。医師のつぶやきみたいな感じです。医学生はそういうの見ますか?

 平栁(医) 時々見ますよ!確かにそういうのは看護師がメインで時々医者ってイメージです。薬剤師の発信は、あまり見ないかもしれないですね。

 横山(薬) 薬剤師はもしかしたらどこかに逃げ道があるのかもしれないですね。臨床以外にも職業の選択肢が多いというのがあるからでしょうか。

 小林(薬) SNSがとてもいい働きをしていますね。事前に現実を見ることができるし、その方がどう対処したのかを知ることができますから。

将来の夢は世界平和‐周囲の一人ひとりを幸せに

 小林(薬) 将来の夢について聞かせてください!

 平栁(医) 根本に世界平和があることは変わっていません。今は在宅医療が面白いと感じています。総合診療医や家庭診療医を育成する仕組みが徐々に整備されつつあるので、期待しています。

 横山(薬) 日本の在宅医療は進んでいると聞いたことがあるんですけど、どうなんですか?

 平栁(医) おそらく1番進んでいるのはアメリカですが、アメリカは日本とは医療制度が違いすぎます。そういう意味では日本はアジア圏ではリードしている立場にあるのかもしれないですね。

 小林(薬) 周りの一人ひとりを助けることで小さな平和が生まれそうですね。

 平栁(医) まさにそういうことです!世界を救おうって思うと海外に目を向けがちですけど、それではスケールが大きすぎて現実的には何もできずに終わりそうな気がします。

 僕は自分自身でどこに行くかを決めるのではなく、与えられた場所で自分の周りが少しでも幸せになるよう働きかけていきたいです。

 本多(看) 私は平栁くんみたいに世界は見られていませんが(笑)。とりあえず2月の国家試験に向けて頑張りたいです。

 また、私は防衛医大で一定期間勤務することが決まっています。精神科を希望しているのでそういう専門的なことも働きながら勉強したいです。後々は臨床を離れてゆっくりできればなぁと考えています。



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