【各業界の動向と展望をチェック!】地域の拠点として役割果たす~ドラッグストア~

2021年3月1日 (月)

薬学生新聞


 新型コロナウイルスの感染拡大は、ドラッグストア業界にも影響を与えた。近年の同業界の成長を牽引していた一つであるインバウンド需要はほとんどなくなり、テレワークなど在宅勤務の影響で化粧品の販売は不振に陥った。それでも、大手ドラッグストア企業の多くは好調な業績をあげた。感染リスクに対応しながら、巣ごもり需要の発生により食品を中心に売上が拡大、衛生用品の売上高伸長と共に業績を支えた。

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、生活必需品の供給インフラと位置づけられたドラッグストアには営業継続が求められた。昨年4月に緊急事態宣言が発令された中においても、店舗スタッフの感染防止対策を実施しながら勤務シフトを調整し、地域の拠点として店を開け続けた。

 未曾有の危機に一貫性をもって対処することで、ドラッグストアは大きな信頼を手にした。現在、ドラッグストア業界ではコロナ禍で得た信頼をつなぐことに注力。今後目指すべきものとして「本来目指す機能である健康と美に関するハブステーション機能」を挙げ、[1]スイッチOTC化推進[2]バイタルチェック(トリアージ機能)強化[3]セルフプリベンション(予防)コーディネート――に取り組んでいる。

 特にスイッチOTC化推進に関しては、▽ドラッグストア業界の最重要課題として対応(医療用での利権に執着する動きに対して政府、各行政機関、議連等への効果的な提言活動)▽販売事業者として正当な主張を展開(各方面への推進活動のため根拠となるデータを整備、蓄積・販売事業者として消費者が納得して医療関係者が承服する現実的な販売体制整備状況を主張)▽日本OTC医薬品協会との協同(一層の情報共有による共同戦線を張る)――といった活動を行っている。

 一方、ドラッグストアの調剤事業を見ると、拡大傾向が続いている。調剤を併設する店舗数は増加し、ドラッグストアの調剤医療費はわが国の調剤医療費全体の10%強にまで達している。ドラッグストア調剤は年々拡大してきており、まだまだ“伸びしろ”は大きいとの見方があり、今後、ドラッグストア各企業は調剤事業にさらに注力し、調剤併設の店舗数の増加も見込まれる。日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は2025年のシェア30~40%確保を目標に掲げている。

 またドラッグストア業界では、環境問題の取り組みも推進。いち早く買い物袋の有料化に取り組み、これを成功させて内外からの高い評価を得た。今後はさらに、返品の削減やペットボトルのリサイクル、照明器具のLED化などにも積極的に取り組んでいく考えだ。

 さらに、ドラッグストア業界では、売上高が1兆円に到達する企業の誕生が近づいている。業界最大手のウエルシアホールディングスの21年2月期中間決算における売上高は約4767億円に達し、通期の業績予想では9541億円の売上高を見込んでいる。また、10月1日をメドに経営統合すると発表したマツモトキヨシホールディングスとココカラファインの売上高も、単純合算すると1兆円に迫る。



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