ニュースダイジェスト 「薬事日報」の紙面から

2021年7月1日 (木)

薬学生新聞


【厚労省検討会】入学定員抑制「検討すべき」‐一貫した臨床研修検討を

 厚生労働省は6月16日、「薬剤師の養成および資質向上等に関する検討会」の取りまとめ案を示し、概ね了承された。薬学部6年制を卒業した学生が薬剤師免許を取得することは必要不可欠とし、大学に教育の質の確保を求めた。また、適正な定員規模になるよう大学薬学部の入学定員数の抑制を検討すべきと明記したほか、薬剤師の資質向上に向けては、卒前・卒後で一貫した臨床研修を検討する必要があると問題提起した。

 取りまとめでは「薬剤師の養成」「薬剤師の業務・資質向上」の2項目について、関係者が取り組むべき施策を提言として示した。

 薬剤師の養成では、標準修業年限で卒業できない、国家試験に合格できる学生が少ないなどの問題を抱える大学が一部で見られる現状から、「学生の質の維持に課題がある大学が存在する」と指摘。

 その上で、「6年制の薬学教育を受けている以上、薬剤師免許を取得することが当然」と明記した。

 人口減少や将来的に薬剤師が過剰になると予想した需給推計の結果を踏まえ、「入学定員の抑制も含めて教育の質の向上に資する、適正な定員規模のあり方や仕組みを早急に検討すべき」とした。ただ、国家試験合格者数については、薬剤師を養成する大学の役割を踏まえ、慎重に考える必要があるとした。

 国家試験の内容に関しては、2022年度を予定している薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂後、新コアカリに基づいた出題基準を検討すべきとした。また、基礎知識分野の問題を軽減した上で、医療薬学や臨床薬学など実務に即した思考力を判定する問題を充実させるよう求めた。

 大学のカリキュラムにも注文をつけた。医師等と比べて不足している臨床実践能力を養うため、病態生理学や解剖学など臨床に関する内容をさらに充実させ、在宅医療に対応するため介護分野の内容も必要と提言した。

 博士課程に進む学生が減少している現状にも問題意識を示し、博士号を持つことの重要性を学生に認知させると共に、働きながら博士号を取得しやすくする方策も求めた。

 一方、薬剤師の業務・資質向上については、薬剤師免許の取得直後に医療機関、薬局での臨床研修が有効とし、実習と研修の質を確保することを前提に、卒前・卒後で一貫した検討が必要とした。

 国民が薬剤師の存在意義を実感できるよう業務の変化が求められるとして、薬剤師が実施したことに対する患者の行動変容が重要とし、対人業務を中心とすることで得られた患者への成果を把握すべきとした。

 構成員からは、「卒後に行うべきことをもっと明確にすべき」など、卒後研修に関する記載に指摘が相次いだものの、取りまとめ内容を了承することで結論とした。

 取りまとめ内容の一部は、引き続き同検討会で議論する予定だ。医薬・生活衛生局総務課は「正式に取りまとめた上で検討したいが、年度内に何らかの動きがあるのではないか」との見通しを示した。

(2021年6月18日掲載)

かかりつけ薬剤師普及追記‐骨太方針を閣議決定

 政府は6月18日、「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針)を臨時閣議で決定した。多剤・重複投薬の取り組みを進める上で、原案にはなかった「かかりつけ薬剤師・薬局の普及を進める」と盛り込んだ。薬価制度の透明性や予見性の確保、バイオシミラーの適正化効果を踏まえた目標設定を検討することも記載した。

 骨太方針では、社会保障改革として薬価制度のあり方に言及。革新的医薬品のイノベーションを評価する観点とそれ以外の長期収載品目について、透明性と予見性の確保に留意しつつ、評価の適正化を行う観点から薬価算定基準の見直しを図るべきとした。

 OTC類似医薬品等の既収載品目の保険給付範囲については、引き続き見直しを行う必要があるとした。

 後発品に関しては、23年度末までに数量シェアを全都道府県で80%以上とする新目標について検証を行うよう明記した。品質と安定供給に関する信頼性確保、バイオシミラーの医療費適正化効果を踏まえた目標設定の検討、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算の見直し、フォーミュラリーの活用など、後発品の使用促進に向けた検討を進めるよう求めた。

 また、「かかりつけ薬剤師・薬局の普及を進める」と新たに追記したほか、多剤・重複投薬の対策も強化する。症状が安定している患者については、医師と薬剤師が適切に連携することで、医療機関に行かなくても一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討し、通院にかかる負担を軽減することも必要としている。

 医薬品サプライチェーンの実態を把握すること、非常時における買い上げ等の導入など、緊急時に対応可能な医薬品の供給体制確立を図ることも必要とした。

 女性活躍を促す施策として、処方箋がなくても避妊薬を薬局で適切に利用できるよう、年度内に検討を始めて国内外の状況を踏まえながら議論を進めることとした。

 コロナ禍を踏まえた感染症対策も盛り込んだ。新興感染症に備え、国産ワクチンの開発促進に向けた「ワクチン開発・生産体制強化戦略」を着実に推進し、必要な取り組みの財源を安定的に確保すべきとした。

(2021年6月21日掲載)

奨学金利用、薬剤師の3割‐平均年収は500万円に

 厚生労働省は、薬剤師の需給動向把握事業における調査結果を公表した。それによると、薬局薬剤師の平均年収は488万円、病院薬剤師の平均年収は512万円であり、薬局薬剤師の29.0%、病院薬剤師の35.7%が奨学金を利用していることが明らかになった。薬局薬剤師では奨学金の平均額が461万円となり、特に6年制で利用率が高いことも分かった。

 調査は、薬剤師の業務実態や働き方などを把握するために実施したもの。薬剤師の充足人数を尋ねたところ、薬局では「適切な人数を確保できている」との回答が60.5%と最も多く、「適切な人数より不足している」との回答は19.4%となった。

 一方で、病院では「適切な人数を確保できている」との回答が38.2%にとどまり、「適切な人数より不足している」が50.5%と半数に上った。

 実際、薬剤師の募集について、2019年1月から12月における常時募集、定期募集の状況を見たところ、薬局では常時募集の実施割合が26.6%、定期募集は13.7%だったのに対して、病院では常時募集の実施割合は40.2%、定期募集も27.5%と薬局に比べて高かった。

 特に、病院において19年4月から20年3月の1年間に臨時に薬剤師を募集した薬局は28.9%あり、このうち3カ月以内に応募があった割合は35.6%だった。臨時募集の理由は「常に欠員が生じている」との回答が47.5%と最多で、病院薬剤師が不足している状況がうかがえた。

 また、薬局薬剤師の年収を見ると、「500~600万円未満」が21.6%と最も多く、次いで「600~700万円未満」が17.9%、「700~1000万円未満」が14.8%と続いたが、平均では488万円となった。

 病院薬剤師の年収は「400~500万円未満」が29.7%と最も多く、次いで「500~600万円未満」が25.7%、平均は512万円となった。

 また、薬局薬剤師の29.0%が奨学金制度を利用しており、大学課程別では4年制が23.4%、6年制が45.8%と、6年制課程での利用率が高いことが明らかになった。

(2021年6月9日掲載)



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