【薬学生 キャリア相談Q&A】起業に向け創造力を高めたい

2024年1月20日 (土)

薬学生新聞

キャリア・ポジション代表取締役
西鶴 智香

西鶴智香氏

Q

 薬学部4年生です。先日受けたキャリアの講義で、今後の仕事人生において起業という選択もあると聞き、大変興味を持ちました。起業には「創造力」が大事だと思ったのですが、私は以前から創造力に乏しく、全く自信がありません。どうやったら高めることができるのでしょうか?

A

 創造力について、ですね。実は私も子供の頃は、創造力はなかった方だと思っているのです。小学校の図工の時間で、写生はそれなりにできていたけど、デザイン画は苦手でしたね。上手い子がいて、「よくそんな絵柄が思い浮かぶなあ…」と感心したのを思い出します。

 そんな私が数十年経って会社を創設し、独自性をいかに提供し続ければ良いかと日々思い描いていることに、我ながら驚きます。新しいものを創り出すのは本当に難しいですが、コツはあるような気がします。特に仕事での創造については、「顧客(患者)」が欲しているものは何か、に集中して考えることがポイントだと思います。

 私が自分で会社を興したのは、「働く薬剤師も、悩んでいる人が多いな。自分の仕事の存在意義や、将来のキャリアへの不安、結婚後の両立、上司との関係等々を真剣に聴く、カウンセリングの場所が必要なのではないか」と考えたのが理由です。それは、そういった方々に数多く出会ったからアイデアが浮かんだのですが、ただ出会って話しただけで終わらず、「こんなに悩んでいる方々に何か援助をしたい。どうしたらいいか」という問題解決の視点を持ったので、新サービスを「創造」できたのです。

 医療界でも、若くて起業する方々が増えているようですが、そういった方々の共通点は、「もっと合理的にできる方法」等の改善策や、「困っていることをこう解決する」「薬剤師の価値を高めるにはこうしたらいい」等の新しい提案をしている点です。起業家となった先輩薬剤師の方々は、子供の頃から創造力があった方ばかりではなく、社会人になって仕事をしながら開花された方もきっといると確信します。

 皆さんも、就職して毎日真剣に顧客(患者)に向き合って仕事をしていると、「相手の悩みをもっと解決できるようになりたい」と思う時が来ると思います。そういう時こそが創造力を鍛えるチャンス!いろんなことを自由に、そして具体的に思案し続けることがポイントです。学生時代の今からでも鍛えることができる力です。トライしてみて下さい。



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