米CRO大手のパレクセル・インターナショナルは、経験豊富な早期臨床試験の受託体制をさらに強化する。欧米などで患者対象の第I相試験を推進すると共に、アジア人や日本人の被験者も組み入れて、早期段階から人種差を考慮したデータの収集・解析を行うエスノブリッジング試験を提案し、グローバル医薬品開発の効率化を支援していく考えだ。新薬研究開発の生産性が課題となる中、サイエンス部門バイスプレジデントのスタンフォード・ジー氏は、「第I相段階でさらに有用なデータを収集・解析し、製薬企業の開発プロジェクトを効率化できるパートナーになっていきたい」と話している。
パレクセルは、製薬企業が行う医薬品開発をフルサポートできるのが特徴。新薬開発をめぐっては、1製品にかかる研究開発費が増加する一方、上市の成功確率が以前に比べて低下する課題に直面しており、第III相試験段階で開発中止する例も増えている。こうした背景からジー氏は、「第I相試験、前期第II相試験までに必要なデータを効率的に収集し、早期段階で開発の方向性を見極め、研究開発の生産性向上を図る必要がある」と指摘する。