京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の研究グループは、ヒトiPS細胞から自己複製が可能な巨核球を誘導することに成功し、大量に血小板を生産する方法を確立した。これまでにもiPS細胞から血小板をつくることはできたが、輸血に必要なスケールで血小板を生産するのは困難だった。今回、血小板を生み出す細胞である巨核球に着目し、これまでよりも大きなスケールで、医療現場で使用できる量の血小板を生産することを可能とした。
同研究グループは、2010年に皮膚細胞由来のiPS細胞から培養皿上で血小板が生産できることを発表している。しかし、1回の輸血では患者1人について2000億~3000億個の血小板が必要で、これまでの方法では、10億個程度しか生産できなかった。そこで今回、血小板前駆細胞である巨核球に着目し、長期間にわたって自己複製することができる巨核球の誘導を試みた。