免疫生物研究所(IBL)とアステラス製薬が実施してきた、遺伝子組み換えカイコを用いて生産したヒト型フィブリノゲンの医薬品への応用に関する共同研究が、第一ステップである性状に関する基礎検討を完了し、製造方法を検討する第二ステップに進展した。今期中に共同研究を終え、マイルストンが全て達成されたと判断できれば、速やかに協議を開始して医薬品用途での開発契約を締結する予定。2020年の上市を目指して安全なヒト型フィブリノゲンの安定供給を実現させる。
血液凝固にかかわる中心的分子であるフィブリノゲンは、外科手術における組織の接着や止血などに使用され、フィブリノゲン含有製品の世界市場は18年に1000億円超に達するとの予想もある。しかし、複雑な蛋白質であるために微生物等による作製が困難で、ヒト血液由来の製剤が使用されているのが現状だ。