子供への向精神薬の処方割合が増加傾向にあることが、医療経済研究機構の奥村泰之研究員らの研究結果で明らかになった。調査した9年間における13~18歳の児童への処方割合を見ると、抗精神病薬が43%、抗うつ薬が37%増加していた。安全で有効な向精神薬を使用するために、子供への治験推進が喫緊の課題とした。
子供への向精神薬の処方件数は増加しているとされるが、承認されている薬剤のうち、小児対象の二重盲検試験が行われたものは、アトモキセチンと徐放性メチルフェニデートの2剤のみ。ほとんどの場合、有効性と安全性が確認されていない向精神薬が子供たちに投与されているのが実情である。