米国の医薬品開発業務受託機関(CRO)大手「コーヴァンス」は、昨年合併を発表した米診断薬大手「ラボコープ」との統合を通じて、探索研究から細胞や動物を用いた非臨床試験、臨床第I・II相試験までの一括受託体制を強化する。探索研究で見出した有望な開発候補物質を早期に実用化するため、ヒトでの有効性・安全性を検証する「プルーフ・オブ・コンセプト(POC)」の最速取得に向けた開発プログラムを提供する。ギャリー・リンチ日本法人社長は、本紙のインタビューに対し、「製薬企業との戦略的提携を加速し、日本発の新薬開発を後押ししたい」と新たなCROモデルの構築に意欲を示す。
同社は、世界約60カ国に基盤を持ち、非臨床試験、セントラルラボサービス、臨床試験の三つの受託事業が柱。ラボコープとの統合が完了すれば、売上規模は約90億ドルとなる見込みだ。非臨床・臨床試験受託大手でありながら、世界屈指の診断薬メーカーと融合することで、医薬品開発支援分野で新たなビジネスモデルを打ち立てる。リンチ氏は、「両社は異なる分野で強みを持ち、事業での相乗効果が期待できる」と統合の意義を強調する。