【薬事日報調査】受験者減少し、合格1万人割る‐14年度共用試験結果

2015年5月1日 (金)

薬学生新聞

“4年制卒”は91人が合格

 2015年度の薬学生の実務実習が5月11日から始まるが、その対象となる共用試験合格者が前回調査に比べ279人減少、1万人を切る9789人になったことが本紙調査により明らかになった。今年度で6回目を迎える実務実習だが、本紙が調査を開始した09年度試験(9338人)以降、対象者が1万人を割り込んだのは初めて。受験者数そのもののが減少したことが影響している。なお、合格者のうち4年制学科卒業者は91人であった(表参照

 薬学生の実務実習実施の前提となる共用試験が09年度(対象67校)に実施されて以降、本紙では毎年、各大学の協力を得て合格者数の調査を実施し、実務実習の対象者数の把握を行ってきた。

 今回も各試験の受験者数、それぞれの合格者数と最終合格者数について調査協力を求めた。74大学・学部(以下=校)のうち9割に当たる68校より、全項目への回答を得た。

 最終的な共用試験合格者数は9789人(前回1万0068人)と前回に比べ279人減少した。10年度の試験では対象校72校で合格者数は1万0801人で、これをピークに合格者数の漸減傾向となっていた。

 今回、受験者数についても回答があった65校の受験者総数は8767人で、最終的に共用試験に合格したのは8310人であった。不合格は259人で、平均1校当たり4人弱であった。ただ、大学・学部によっては40人、30人台の不合格者を出すところもあった。

 合格者数の減少状況は各校で異なるが、14年度と13年度とで受験者総数が比較できる65校に限ってみると、概ね受験者数と合格者数の増減数とが等しい状況であった。13年度に比べ受験者数が最も減少したのは第一薬科大学の48人で合格者数も47人減少した。次いで43人減少した昭和薬科大学は合格者数も44人減少した。30人以上受験者が減少したのは徳島文理大学(35人)、千葉科学大学(32人)であった。

 一方、受験者が10%以上増加したのは、同様に前年度との比較が可能な64校では、千葉大学37%増(受験者:13人増、合格者:13人増)、北陸大学33%増(28人増、31人増)兵庫医療大学28%増(29人増、19人増)、横浜薬科大学20%増(34人増、29人増)、九州保健福祉大学17%増(18人増、14人増)、長崎大学16%増(7人増、7人増)、富山大学15%増(8人増、8人増)、日本大学15%増(34人増、34人増)、明治薬科大学11%増(32人増、34人増)であった。

 また、4年制学科卒業後、特例的に共用試験を受験し合格した学生は、受験91人に対し91人であった。なお、13年度は4年制併設の29校のうち、非公開であった1校を除く28校から回答があり85人であった。今回調査では29校全てから回答が得られ、東北薬科大学、千葉科学大学、熊本大学の3校については受験はなかった。



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