一般社団法人日本薬学生連盟は3月14、15日の2日間をかけて、「年会」という、私たちが主催するイベントの中で最大規模のイベントを開催しました。
年会とは
私たち一般社団法人日本薬学生連盟は、年会「薬学生の集い」というイベントを年に一度開催しております。年会は日本薬学生連盟に所属をしている、北海道から九州までの全国の会員が一同に会して、同じ薬学を学ぶ仲間が各地で1年間活動してきたことを共有し合い、切磋琢磨する場となっています。また、全国各地から学生が集まるので交友の輪や視野が広がるだけでなく、以前のイベントで知り合った旧友と再会を果たす貴重な場ともなっています。
2014年度は第16回目の開催に当たり、かつ例年の関東開催とは異なる初の関西の地でもあったため、関西の学生にも参加してもらいやすいイベントとなりました。
開催日の2日間を通しておよそ250人の参加があり、講演会や仲間と各テーマごとに議論するワークショップ、ポスターセッションを通して、様々な考えや価値観を知り、仲間と共に考えることで様々な学びと感動を得ることができました。
テーマ「未来への薬束」
今回の年会では「未来への薬束」をテーマとしました。自分は薬学生として今何ができるのか、将来薬剤師としてどんな領域で何をしたいのかなど、自分のビジョンを描く上での目標を見つけるきっかけにしてもらいたいという思いがありました。特に今年は、皆さんと一緒に形になるものを作り上げていきたいというアイデアのもと、「あなたの未来への薬束は?」と題して桜の幹と桜の形をした付箋を用意し、参加者に未来に対する思いを書いてもらいました。
桜は次第に五分咲き、七分咲きになり、2日目のクロージングの時には大きな桜の木が満開となりました。これだけ多くの未来への約束が集まった満開の桜の木を目の当たりにして、とても感慨深いものがありました。
乾賢一先生の基調講演で始まった年会
開会式直後に、会場となった京都薬科大学学長である乾賢一先生のご講演を賜りました。「輝ける薬学・薬剤師の未来に向けて~薬学生への期待~」をテーマに、現在までの薬学の歴史を踏まえながら、これからの薬剤師のあり方や未来の薬剤師のために京都薬科大学が取り組んでいることをお話ししていただきました。年会の始まりにふさわしいこのご講演の参加者の多くが、自身の将来について現在や未来の薬剤師像を踏まえて真剣に考える良い機会となったことと思います。
ワークショップ
今回の年会では日本薬学生連盟の委員会、加盟団体、OB・OG、個人会員、外部団体、企業の方々によるワークショップが計16題行われました。どのワークショップも提案者の皆さまが時間をかけ、じっくりと練り上げた企画で、参加者の皆さまからの評判も良く有意義な時間となりました。
ワークショップのテーマには、PCE(patient counseling event:服薬指導)や、スポーツファーマシストなど薬学に関連したものはもちろん、これからの将来に役立つプレゼンテーションの方法や、ビッグデータの利用方法、アンガーマネージメントなど幅広い分野が取り上げられました。多くの薬学生にとって、普段なじみのない分野だけにとても興味深く、参加者の皆さま一人ひとりの視野も広がり、未来への一歩の糧となったことでしょう。
ポスターセッション
今年のポスターセッションでは「活動報告部門」と「学術部門」の二つの部門に分け、加盟団体と委員会それぞれ1年間の成果をポスターで発表しました。
「活動報告部門」では、普段の活動の紹介やその活動で得たことをまとめて紹介することで、自分たちの活動を広め、他団体の活動を知り、団体同士の活動の活発化も期待できます。「学術部門」では、団体それぞれの調査や研究結果をポスターで発表しました。ポスターセッションの時間には、会場となった廊下が大勢の参加者でいっぱいとなり、発表者と参加者のディスカッションで盛り上がりました。
また、2部門における参加者からの投票で優秀ポスターを選出し、クロージングで表彰を行いました。優秀賞に選ばれた団体の皆さま、おめでとうございます。惜しくも優秀賞を逃してしまった団体の皆さまは、来年度の年会でのリベンジをお待ちしています。
懇親会~仲間との再会と新たな出会い~
懇親会は14、15日の両日の夜に開催しました。年に一度、全国の薬学生が集う年会では、普段直接会うことのできない友人や先輩、後輩との久しぶりの再会を喜ぶ姿が見られました。お互いに思い出を語って笑い合い、この1年間に自分のやってきたことや次の目標を語り合う熱い場面が多く見受けられました。また、この年会で初めて出会った多くの仲間とのつながりを通じて、これからの未来について語り合う様子は、日本薬学生連盟の「未来への薬束」に大きな光を予見させるものでした。
年会を終えて
今年の年会開催に当たり、昨年10月から関西の薬学生を中心に年会部会を立ち上げ、年会部会スタッフおよび日本薬学生連盟の本部メンバーが一丸となって準備を進めてきました。初の関西での開催ということで、当初は参加者が集まるのかなどと不安もありましたが、2日間で約250人も参加していただき、実に活気に満ちた年会となりました。遠方から来ていただいた参加者の方々に「年会に参加するため京都まで来た甲斐がありました」という言葉を掛けていただいた時の喜びは、とても大きいものがありました。このイベントを無事開催することができたのは、時間をかけて各企画を練り上げて下さった企画者の皆さま、日本薬学生連盟全体の運営を行ってくれた本部メンバー、年会部会スタッフ、そして何より当日に全国から来てくださった参加者の皆さまのおかげです。
この第16回年会薬学生の集いに様々な形で関わった全ての皆さまに、心から感謝申し上げたいと思います。本当に、ありがとうございました。
最後に……あなたの「未来への薬束」が叶いますように。
14年度年会部会
副部会長 茅 薇蕾
副部会長 望月 彩音
(京都薬科大学4回生)