大日本住友製薬の多田正世社長は2日、大阪市内で開いた記者会見で、非定型抗精神病薬「ラツーダ」の特許が2019年に切れる北米事業の展望について、大型品となり得る開発品の上市を加速させて対応したい考えを示した。呼吸器や精神神経領域でピーク時500億円以上の売上を見込む新薬を数年以内に上市する目標を掲げるほか、既存品の成長、導入品の活用などを進めて特許切れ後の売上の落ち込みを補う。がんや再生・細胞医薬領域の新製品開発にも注力する計画だ。
「ラツーダ」は15年度に北米で1200億円の売上高を見込む大型品。直近の15年度第3四半期決算でもドルベースで前年同期比31.4%増、円換算では888億円の売上高を記録し、増収増益に貢献した。売上高の約3割を占める大黒柱だけに「19年に特許が切れる時までに何をどうしたら米国の事業がうまくいくのかが今、会社あげての最大のテーマになっている」と多田氏は述べ、大型品の開発を加速させたいと強調した。