日本イーライリリーのパトリック・ジョンソン社長は、24日に都内で記者会見し、前年比13%増の2359億円となった2015年業績について、「製薬業界で6年間連続3位以内の成長率を達成しており、高成長を継続している」と手応えを示した。成長を牽引したのは昨年上市した四つの新薬であり、「これまで海外から承認が遅れたが、世界同時上市ができるようになった」と述べ、今後も世界同時開発・承認を目指す方向性を強調。さらに、大学や研究機関が保有するシーズ発掘にも注力していく方針を打ち出した。
同社の昨年業績は、全疾患領域が成長して過去最高売上を更新し、国内売上ランキングで13位、成長率では2位となった。塩野義製薬と共同販売していた抗精神病薬「サインバルタ」が、契約変更で販売網を一本化したことで、69%増の304億円と一気に躍進した。主力製品の抗精神病薬「ジプレキサ」が2.1%増の612億円、抗癌剤「アリムタ」が3.1%増の381億円のほか、骨粗鬆症治療薬「フォルテオ」が11.7%増の536億円、AD/HD治療薬「ストラテラ」が31.8%増の183億円と二桁の伸びを示した。