第101回薬剤師国家試験の合格者は前回より2444人増え、過去最多の1万1488人となった。合格率も76.85%で、前回から約14ポイントほど上昇。旧4年制時代に維持されていた水準に戻った。
大学別で合格率が最も高かったのは、いわき明星大学の98.67%。次いで九州大学の93.62%、東邦大学92.50%、明治薬科大学92.24%、武蔵野大学91.72%と続いた。
厚生労働省は、今回の国試から新たな合格基準を導入。これまでの「総得点率65%以上」という絶対基準から「平均点と標準偏差を用いた相対基準」に変更すると共に、必須問題を構成する各科目の足切りを現行の50%から30%に引き下げ、35%に設定されていた理論・実践の各科目の足切りを廃止するなど、基準を大幅に緩和した。
合格率の上昇と合格者数の増加には、直近2回の国試に比べて試験問題の難易度が下がったことや、合格基準を緩和したことが影響したと見られるが、厚生労働省は、「薬剤師として本当に必要な知識を問う問題が増えたためではないか」と分析している。
また、私立大学を中心に、見かけ上の合格率をアップさせるために出願しても受験させない大学が多いことも見てとれる。
厚労省は昨年から、出願者数と実際に受験した学生の数を公表しており、6年制新卒者について見ると、私立大学では8933人の出願者数に対して受験者数は7556人。1377人もの学生が受験を取りやめていることが分かる。