ドラッグデリバリーシステム(DDS)を活用した緑内障治療薬の開発が世界的に進んでいるようだ。5月19~21日の3日間、岐阜市で開かれた日本薬剤学会年会で、参天製薬グローバル製剤技術統括部の山田和人氏が世界の動向を解説した。眼の様々な部位に挿入された各種材料から数カ月にわたって薬剤が徐放される緑内障治療薬が海外の製薬会社によって複数開発され、海外で第II相、第III相臨床試験段階にある。毎日の点眼が不要になり、投与頻度の軽減、アドヒアランスの改善が見込まれるという。
山田氏は、海外で第II相、第III相段階にあるDDSを活用した4種類の緑内障治療薬を紹介した。具体的には▽涙点にプラグを挿入する▽輪ゴム状のリングを結膜に挿入する▽結膜にリポソームを注射する▽前房の中にインプラントを挿入する――というもの。いずれもプラグやリングなどから薬物が持続的に放出される。