厚生労働省は3日、昨年9月に公表した医薬品製造販売業者の副作用報告漏れに関する自主点検の結果について、メルクセローノが抗癌剤「アービタックス」の副作用情報42症例64件を追加で報告したことを明らかにした。厚労省は、副作用は既知か、未知でも同剤以外が原因と考えられるとし、現時点で追加の安全対策を講じる必要はないと判断。同社に対し、原因と改善方策を1カ月以内に報告し、製造販売後の適切な安全管理業務を徹底するよう要請した。
メルクセローノは、自主点検で未報告の副作用はないとしていたが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が同社製品について適合性調査を行った際、副作用報告に関するデータの信頼性について指摘を受けたことから、安全性データベースと原資料である使用成績調査票を照会、点検した結果、アービタックスに関する未報告の副作用症例が発覚。5月にPMDAに追加報告をした。