日本東洋医学会(佐藤弘会長)と日本漢方生薬製剤協会(日漢協、加藤照和会長)の両団体が中心となり、「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」が立ち上げられた。会長には日本医学会会長の高久史麿氏、代表世話人に国際医療福祉大学副理事長・名誉学長の北島政樹氏が就任し、このほか医学・薬学・製薬関連団体の代表らもメンバーに加え、今後は漢方医学の現状認識と漢方医学を取り巻く課題解決に向けた議論を進めていく。来年2月頃には議論を総括し、「提言」を取りまとめる予定。
現在では、国内にある80医科大学の全てで医学生に対する漢方医学教育が行われており、同様に薬科大学においても漢方教育が実施されている。また、昨年9月に厚生労働省から発表された「医薬品産業強化総合戦略」と、同年12月発表の「がん対策加速化プラン」において、漢方薬の役割や漢方薬を用いた研究について言及されるなど、漢方を取り巻く環境は以前と比べ大きな変化を見せている。