大塚製薬は5日、米カリフォルニアに本社を置くアステックス・ファーマシューティカルズ社の獲得を発表した。分子量300以下の特徴的なフラグメントライブラリーを有し、X線構造解析等によるスクリーニングとフラグメント組合せ技術に優れたバイオベンチャーで、買収額は約8億8600万ドル。
従業員数は137名と小規模だが、リード化合物を短期間で取得し、過去8年間で癌と中枢神経の新規化合物8つを臨床入りさせた。全世界で約2億8000万ドルを売り上げる骨髄異形成症候群・急性骨髄性白血病治療薬「ダコジェン」(一般名:デシタビン)の開発に成功し、現在はプロドラッグ化や合剤開発を進めている。
大塚製薬は20日までにアステックス株式の公開買い付けを開始して100%子会社化し、癌領域のポートフォリオを強化すると共に、革新性の高い創薬技術を中枢神経領域の研究にも生かす。