日本医師会と米国研究製薬工業協会(PhRMA)は19日、都内で初めての共催シンポジウムを開き、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で大きな注目を集めている国民皆保険制度や混合診療の行方をめぐって、医療側、製薬業界側の立場から議論した。パネル討論でPhRMAのチェスター・ディビス上級副会長は、「日本の医療制度を守ることを支援していると明確に言いたい」と明言。これを受け、終了後に記者会見した日医の石井正三常任理事も「米国のような制度にする意思は全くないと意見をいただいた」と応じ、皆保険の堅持で一致したことを演出した。
TPPは知財保護重視で
この日のシンポジウムは、日本政府がTPP交渉への参加を決断した中、混合診療の解禁などによって皆保険制度の崩壊を懸念する日医と、知的財産権の保護や新薬のデータ保護期間の延長を要求する米国の製薬業界が、お互いの立場を尊重しつつ意見交換する目的で開かれた。